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Date:  Mon, 11 Oct 1999 18:07:20 +0900
From:  Taikan_Oki <taikan@iis.u-tokyo.ac.jp>
Subject:  [game-jp:0103] 陸面ワークショップの報告
To:  game-jp@ihas.nagoya-u.ac.jp
Message-Id:  <199910110907.SAA07156@rain.iis.u-tokyo.ac.jp.>
X-Mail-Count: 00103


GAME-jp の皆さま: 沖です。

GEWEX/INSU陸面ワークショップというのにフロンティアの研究員として行って
きました。GEWEXのモデリング予測パネル(GMPP; Randall主催)の下に置かれて
いる陸面パラメタリゼーションプロジェクト(Jan Polcher主催)のワークショッ
プで、今後数年GEWEXやそれに関連した国際プロジェクトで主に陸面過程と気候
に関連して何を研究するべきか、ということのアイディア出しみたいな会合で
した。PILPSやGSWPに関連した話題が多かったのはもちろんのこと、AMIPやPMIP
関連の話題もかなり出ました。いくつか私にとって主要な点を列挙しますと、

・結局、GSWP1.5を提案しに来たようなものであった。最後のまとめには入ったし、
  PaulとCo-chairしようということになった。 
・地表面からのfluxが正しくなる地表面状態が得られれば良い、 というECMWFの
  土壌水分推定手法に対し、NCEPは地表面の 水文propertyが正しければ良い、と
  いう手法で、両者は大いに違う。 陸面モデルが完全なら両者は一致するはずだ
  が、モデルは不完全なので どちらのアプローチがbetterか考える必要がある。 
・GCMなどの数値実験のdesign、結果を調べる新たな指標・手法、 そして結果の
  持つ意味が重要である。 
・早くECMWFに連絡しないと、ERA40にGAMEゾンデデータは利用してもらえない。
  GAME-Tの分だけでも送ってしまうか?
・2000年5月16-19日にOklahomaでSoil Moisture Workshopが開催される。 
・1.4GHzのマイクロ波放射計(瞬時視野35〜60km位)を搭載した Soil Moisture/
  Ocean Salinity (SMOS) Satellite が ESA から2004年に 打ち上げられるこ
  とに決まった。 
・急峻な地形に対しRAMSを適用する場合にはコリオリを落してみる。 
・陸面植生水文モデルの検証やoff-lineをする時に、boundary layerのresponseを
  考慮できる様な仕組みも考える必要がある。
・降水量でモデル結果を検証する際には単に総量だけではなくて、様々な「質」に
  関して検証する必要がある。 
・FORTRAN90を使おう。FORTRAN77は止めよう。Cで走っているモデルは聞かない。 

などとなります。GAME IOPのゾンデデータがERA40に入るかどうか、という点に
つきましては、諸般の事情もあろうかと思いますので、安成先生と高橋さんとで、
ご調整いただけると幸いです。来年5月のオクラホマのワークショップにつきまし
ては、土壌水分関連のモデリングや観測、メソモデルと陸面heterogenietyの問題
などに関心の方は参加をご検討いただけると良いかと思います。GSWPの今後につ
いてはもちろんもっと進めるべきだとのことになり、ISLSCP IIデータが出る前に

	a) より良い forcing data に基づくグローバルな土壌水分推定
	b) それを境界条件として与えた大気モデルの地表面感度実験
	c) 12年分全球0.5度グリッドGSWP-2のための陸面国際情報基盤
	(International Information Infrastructure for LSMs)の準備

などをやるべきだ、というGSWP1.5の提案もワークショップのoutputとして採用さ
れました。これに関するキックオフmeetingをどの機会にやるかは今後の調整です
が、来年5月の上記オクラホマワークショップの前後か、6月のWPGMの際に東京で
やるか、7月くらいにMarylandでやるか、まだ不明です。

その他旅行記は

http://hydro.iis.u-tokyo.ac.jp/~taikan/WebRep/1999/cnrs9910/

にありますので、ご関心の方はご高覧いただけると幸いです。

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