上野様,浅沼様
塚本@岡山大学です。
> 先日アメリカのMicroMet Scientific社より500-5000mスケールの
> 平均的なsensible fluxを算定できる測器(Large Aperture Infrared Scintillometers)
> の紹介が送られてきました。LAS150と呼ばれるもので、
> As an infrared beam is transmitted through the turbulent atmosphere the
> signal intensity changes as the refractive-index of the air varies with
> fluctuations in temperature.
> とあります。私はこの方面の専門ではないのですが、
> 既にかなり実用化されて観測に使用されている測器なのでしょうか?
> 従来の観測とは異なり遠隔的にパス平均のHを測定できるもの
> として注目に値すると思いメールに流してみました。
一時,「天気」の広告に出ていた英弘精機から販売されているSLS-20という
シンチロメータのモンスター版(浅沼さん曰く)です。
大気乱流を光の屈折率変動を使って直接測るもので,気温変動や風速変動が光の
屈折率変動をもたらすという原理です。1点観測で言えば,いわゆるVariance法
でフラックスを求めること,に相当します。つまり,気温変動や風速変動を1点で
測定する代わりに,空間的な
屈折率変動でとらえようというものです。ただし,フラックスを求める方法には
モニン・オブコフ相似則を用いますので(フラックスで規格化した変動量が大気
安定度z/Lの普遍関数になる),それが成立するという大前提があります。
そうでない場合にも使われているようですが..(本質的には非一様な場合にこそ
こういうものが求められるという逆説でもあります)
まだ試験的にいくつか使われている,しかも天気の良い日に短期間で,という段
階かと思います。
しかし,手法としての将来性は非常に大きいと思います。
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塚本 修, Osamu Tsukamoto
岡山大学理学部地球科学科
Department of Earth Sciences, Okayama Univ.
〒700-8530 岡山市津島中3-1-1
Tel: 086-251-8505, FAX: 086-251-8506
Email: tsuka@cc.okayama-u.ac.jp
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