mesophia, ymnet, GAME-JPの皆様
NASDAの清水です。
同様の情報を重複受け取られる方には申し訳ありません。
熱帯降雨観測衛星(TRMM)の軌道高度変更についての情報をお送り致し
ます。
詳細な情報については、宇宙開発事業団地球観測利用研究センターの
TRMMホームページ(http://www.eorc.nasda.go.jp/TRMM)をご覧くださ
い。
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熱帯降雨観測衛星(TRMM)の衛星軌道高度変更について
1997年11月28日に打ち上げられた日米共同ミッションである熱帯降雨観
測衛星(TRMM)は、当初予定していた観測期間(3年)を過ぎ、現在後
期運用期間に入り、順調にデータを取得しています。TRMMは打ち上げ前
からミッション終了後にコントロールドリエントリー(制御再突入)を
行うことが予定されていました。しかしNASAによる最新の解析から、コ
ントロールドリエントリーを行った場合、当初予想されていた約3年間
の後期運用期間が大幅に短縮されることが判明しました。そこで宇宙開
発事業団とNASAは充分な期間の後期運用を行うことを目的として、衛星
軌道高度を現在の350kmから約400kmに変更することを決定致しました。
このことにより2007年10月まで運用期間が延長すると見積もられていま
す。
衛星バス及び各センサへの影響については、衛星の信頼度及びTRMMマイ
クロ波観測装置(TMI)、可視赤外観測装置(VIRS)、雷観測装置(LIS)
については、軌道高度が上がることによる影響は少ないことがNASAより
確認されています。なお、雲及び地球放射観測装置(CERES)は不具合
によってほとんど観測が行われていなかったため、現在運用を停止して
おります。
降雨レーダ(PR)については、
1. 約1.2dBの感度低下
2. パルス送受信のタイミングがずれることによりデータにノイズが入る
可能性
3. 瞬時視野の増加(4.3km → 5.0km)
4. 熱帯付近で観測できる降雨頂高度が低下する可能性
5. 全球をカバーするのに要する日数の増加
等の影響が考えられます。特に感度の低下により、降雨検出確率の低下、
降雨領域の減少、降雨頂高度の低下などが考えられます。さらに観測視
野の増加(分解能の低下)により、降雨の非均一性の影響が大きくなる
ため、降雨強度に推定値がやや変わる可能性があります。ただ、これら
の影響は現状のPRデータを用いた殆どの研究課題に対しては、どれも小
さいものと考えています。
400km軌道での運用のために、各センサのアルゴリズム改修が必要であ
ることから、軌道変更後しばらくの間、標準プロダクトのデータ提供を
停止致します。準リアルタイムデータに関しましては、今まで通り提供
を行う予定です。皆様には御迷惑をおかけ致しますが、御理解と御協力
をお願い申し上げます。
なお、TRMM軌道高度変更は8月7日から行う予定です。軌道変更後のデー
タ提供スケジュールは、準リアルタイムプロダクトに関して、PRは2001
年8月21日リリースを予定しています。それ以外のセンサについては停
止しない予定です。標準プロダクトに関しては、データの質を確認後、
できる限り早い時期に一般公開をすることを目指しています。データ提
供停止期間中のプロダクトは、提供開始後に過去にさかのぼって再処理
した後公開を行う予定です。
問い合わせ先:
宇宙開発事業団 地球観測利用研究センター
TRMMプログラムコーディネーター 勝又 敏弘
E-mail: katsumata.toshihiro@nasda.go.jp
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清水 収司 (Shuji SHIMIZU)
宇宙開発事業団 地球観測利用研究センター (NASDA/EORC)
e-mail: shimizu@eorc.nasda.go.jp
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