1 領域全体の研究目標

 

 

 水は人間を含む生命の存在・維持にとって、必要不可欠の物質である。ある地域や国に住む人々に必要な水、すなわち水資源は、その地域・流域の水循環に依存している。水循環とは、降水、蒸発散、流出、地下水・土壌水分としての貯留、海洋・湖沼など、大気・地表面系での水のフロー(流れ)とストックのすべての過程で、地球全体では、ひとつの閉じた循環系を形成している。 したがって、これらの水のフローとストックが、地球全体でどのような物理・化学・生物学的機構で調整されているかを解明することは、地球全体の生命のみならず、地域・流域での人間活動の基盤としての水資源の変動機構を明らかにし、水コントロールの基礎的理解を得る上でも非常に重要である。

 いっぽう、この水循環系は、大気での雲・降水過程、地表面での蒸発散、積雪・融雪、凍土過程などを通して、大気・地表面系のエネルギーの流れとその変動に関するフィードバックのを担っており、気候システムとその変動の機構解明や予測のためのモデリングにとっても、水循環のすべての過程の定性的・定量的な理解は不可欠である。中でも、アジアモンスーンは、その巨大なエネルギー・水循環を通して、地球気候システムとその変動にも大きな影響を与えているといわれており、アジア・ユーラシア大陸とその周辺海洋を含む大気・海洋・陸面系での水循環過程の解明は、アジアのみならず、地球規模での気候変動の機構解明にとっても非常に重要な課題である。

 特に、熱帯から北極域にまたがるアジア大陸の複雑多様な地表面系が、このアジアモンスーンのエネルギー・水循環系においてどのような役割を果たしているかは、観測データの不足・欠除のため、まだ定性的な理解すら不十分である地域が広がっている。アジアでの各地域・流域の視点からみれば、 このような広域スケールでのアジアモンスーンの変動が、その地域・流域での水循環過程のフィードバックを通して、水資源量の変動や水災害にどのように関わっているかという問題も、緊急かつ重要である。

 このような問題意識から、本研究は、アジアモンスーンの季節変化と経年変動の機構、およびアジアモンスーン地域の水資源、水災害に関わる水循環変動の季節予測の基礎となる、大陸スケールでの大気・陸面系でのエネルギー・水循環過程の実態解明およびそのモデリングを目的にしている。

 研究計画は、アジア各地域における放射・熱収支の長期モニタリング、4つの代表的地域(熱帯、亜熱帯・温帯、チベット高原、シベリア寒冷圏)におけるエネルギー・水循環とそのフィードバック過程の観測的研究、これらの観測的研究にもとづく大気・陸面相互作用、水循環および気候のモデリング、及びデータ情報のアーカイブからなる。総括班は各研究グループの相互の協力・連携、および調整をはかりつつ、全体の研究を推進する。本研究は、WCRP(World Climate Research Programme: 世界気候研究計画)の大きな副計画であるGEWEX(Global Energy and Water Cycle Experiment: 全球エネルギー・水循環研究計画)傘下 の国際共同研究計画GAME(GEWEX Asian Monsoon Experiment)推進の国内における中心的な役割を担っている。


2 領域内における研究組織と研究班の連携状況

 

 研究組織は以下の9つの計画班と1つの総括班で構成されている。

 

<研究組織一覧>

 

1.  「総括」班 (研究代表者:安成哲三)

2.  「放射・熱収支モニタリング」班 (研究代表者:木村 富士男)

3.  「熱帯エネルギー・水循環過程」班 (研究代表者:虫明 功臣)

4.  「亜熱帯・温帯エネルギー・水循環過程」班 (研究代表者:坪木 和久)

5.  「チベット高原陸面エネルギー・水循環過程」班 (研究代表者:小池 俊雄)

6.  「チベット高原大気エネルギー・水循環過程」班 (研究代表者:石川 裕彦)

7.  「シベリア生物圏エネルギー・水循環過程」班 (研究代表者:福嶌 義宏)

8.  「シベリア雪氷圏エネルギー・水循環過程」班 (研究代表者:大畑 哲夫)

9.  「気候水循環モデリング」班( 研究代表者:住 明正)

10.「エネルギー・水循環情報データアーカイブ」班 (研究代表者:沖 大幹)

 

 研究項目は、大きく、モニタリング(1計画班: No.2)、プロセス研究(6計画班: No.3-No.8)、モデリング(1計画班: No. 9)、およびデータ情報アーカイブ(1計画班: No.10)の4つに分かれている。領域全体の研究推進および研究項目間の連携・調整は総括班(No. 1)で行われている。

 モニタリンググループはアジア大陸を代表するさまざまな地表面での放射・熱・水収支の長期観測を行い、異なる気候・植生状態が地表面・大気間の1次元的なエネルギー・水循環のフローの季節変化と経年変動の実態を明らかにしつつある。これらのデータは、それぞれの関係する地域でのプロセス研究にも同時に貢献している。

 プロセス研究グループは、アジアモンスーン地域を代表する4地域(熱帯、亜熱帯・温帯、チベット高原、シベリア寒冷圏)での流域スケールでのエネルギー・水循環過程の集中・強化観測を、とくに98年度、99年度(シベリアは2000年度)の夏季モンスーン期間を中心に行い、より広域でのエネルギー・水循環系の実態解明を進めている。また、これらのデータに加え、既存気象・水文データや衛星データの解析なども含めて、その流域・地域の広域的なエネルギー・水循環の変動の実態と機構解明を総合的に行っている。各流域・地域研究にはモデリンググループからもそれぞれ参加しており、プロセス研究で得られた、各流域・地域特有の気象・水文過程や現象のシミュレーションも同時に行われている。

 モデリンググループは、モニタリング、プロセス研究で得られつつあるデータを、気候・水文モデルでの陸面水循環・雲降水過程などのパラメタリゼーションやモデル検証に用いて、流域水文モデル、領域気候モデル、大気大循環モデルなどの改良を行うとともに、前述のように、アジア・ユーラシア大陸特有の大気・水循環過程のシミュレーションを行っている。

 

 データ情報アーカイブグループは、モニタリングとプロセス研究で得られたすべてのデータを、プロットスケール、地域スケールから大陸スケールでのエネルギー・水循環過程のさまざまな解析的研究やモデリングに利用しやすいようなかたちのデータアーカイブの構築を、モニタリングで得られたフラックスデータや、プロセス研究を通してアーカイブされた衛星データも含め、開始している。また、この研究で得られたすべてのデータ・情報を、世界の関係研究者・技術者にも容易にアクセス可能な情報システムの構築も進めている。

 以上のように、4つのグループ(9計画班)は、密接に連携を取りながら、全体の研究が進められている。また、アジアモンスーン全体に関わるエネルギー・水循環過程については、総括班グループが主導して、進めている。

 これらの研究グループ間の連携や共通の科学的問題の検討や、プロジェクト全体の実行推進を進めるために、国内実行委員会が2ヶ月に1回、各国の関係機関代表も含めたGAME国際推進委員会が年に1回、開催されている。

 

 


3 研究の進展状況とこれまでの主な研究成果(研究項目に整理)

 

3-1.  放射・熱水収支モニタリング

 

 1996年度からアジアの10数ケ所で順次開始された放射・熱収支のモニタリングは、多くの技術的な問題を解決しつつ、ようやく通年観測体制がほぼ確立した。

 放射グループは、亜熱帯・温帯(中国)に2か所、熱帯(タイ)に1か所の精密放射計やライダーシステムを設置し、地表面放射収支に影響するエアロゾル(光学的雲の厚さ)の評価も開始している。 特に97年/98年のエル・ニーニョに伴った東南アジアでの旱魃と森林火災が、大気放射に与えた影響も、測定することができた。

 熱収支グループは、季節進行に伴う地表面・大気間のエネルギー・水循環の季節変化に、熱帯林やタイガなど、各気候帯で卓越する植生(生態系)のフェノロジーが特異な役割を果たすこと、シベリアやチベット高原の寒冷圏では、永久凍土層の季節的な融解・凍結過程が、大気水収支・熱収支に大きく影響すること、などを明らかにしつつある。

 熱帯(タイ)では、水田や潅木林地域では、雨季の降水の影響が熱・水収支に劇的に反映されるのに対し、森林では、森林・土壌系の水文学的特性により、雨季よりも乾季に蒸発散が最大になるという興味深い事実が観測された。水田の水体が、熱収支に大きく影響することは、タイだけではなく、中国の湿潤亜熱帯・温帯域でも示され、アジアにおける水田の熱・水収支に与える影響も今後、再評価する必要があることを示唆している。

 チベットでは、乾季に卓越していた顕熱が、雨季の開始とともに、相対的に小さくなり、潜熱が急激に増加すること、その割合はチベット西部と東部で、大きく異なることが明らかになった。モンゴルでも同様の季節変化傾向が明らかになったが、特に土壌水分の季節変化が、これらの半乾燥地域の地表面熱収支の変化には重要であることが明らかになった。

 シベリアタイガ地域では、永久凍土上に成立している世界唯一の極相の落葉針葉樹林であるカラマツ林で観測を継続しているが、積雪期、融雪期、開葉期、落葉期にかけての生物季節(フェノロジー)変化と、夏期に融解する凍土「活 動層」が、キャノピー上での熱・水収支、CO2収支を大きく支配していることが明らかになった。

 シベリアツンドラ地域(北極海沿岸域)では、アラスカ、カナダなどの他ツンドラ地域より蒸発量が少ないことや、大気循環場(風向)が、顕熱・潜熱フラックスの値に大きく影響することが明らかとなった。

 

 3-2.  プロセス研究

 

さらに1998年度、1999年度には、熱帯(タイ)、亜熱帯・温帯(中国淮河地域)、チベット高原でモンスーン季を中心とした集中観測が行われ、そのデータによる解析作業が進んでいる。また、シベリア・レナ河流域では、2000年度に集中観測を行い、一部解析作業が進行中である。以下に各地域での研究成果のハイライトを紹介する。

 

<熱帯(タイ)>

 98、99年の乾季・雨季に行なった一日4回から8回という高密度の高層ゾンデ観測により、熱帯陸上域において非常に顕著な大気・水蒸気場の日変化の時空間変動が得られた。モンスーン突入直前・直後と連続した詳細な大気構造が観測され、インドシナ半島における大気重力波と雲・降水の関係など、新たな問題が示唆されている。

 タイ各地点における水文気象データ、衛星データおよび降水レーダなどをを用いて、土地被覆や地域毎に異なる蒸発量や土壌水分の空間分布や、タイ・インドシナ半島での降水ピークの変動など、水循環変動に関連した要素の詳細な時空間マッピングが現在行われている。また、気候学的に2回降水の極大期がある東南アジアのモンスーンは、前半と後半で、降水とその変動を支配する大気循環やじょう乱に、大きな違いのあることが示唆される結果が示された。

 

<亜熱帯・温帯(中国淮河流域)>

 98年99年に、大陸上の梅雨前線の構造に伴うメソ降水システムを中心とする観測が、3基のドップラーレーダ、約20箇所の高層強化観測など、中国で初めての高密度・高解像の観測ネットワークで行われ、現在、大量のデータの解析が進められている。たとえば、従来の温暖前線、寒冷前線という構造よりも、前線の北上・南下にともない、雲・降水システムが変化するなど、興味深い事実が明らかになった。

 陸面水文過程に関しては、異る土地利用(水田、畑地、森林、水体)における熱・水収支観測を行い、熱・水フラックスの様々なパラメーターを得ることができた。これらのパラメータを、陸面過程モデルSiBUCに取り込み、大気陸面結合モデルのテストを行った。これにより土壌水分量などの地表付近でより正確なシミュレーションが行うことができた。

 

<チベット高原>

 高原中部において、98年に集中強化観測が行われ、ドップラーレーダによる降水の3次元観測、境界層、地表面熱収支、凍土観測、同位体水文観測などが、同時に行われた。この強化観測によって、チベット高原の春から夏(モンスーン)季にかけての大気・地表面系でのエネルギー・水循環に関わる大部分のデータが取得された。ドップラーレーダによる4ヶ月間の昼夜連続観測により、チベット高原における降水システムの時空間特性と、それらの地表面状態との関連などが、明らかにされつつある。特に、高原においては、昼間の積雲対流による降水ととも、夜間から明け方に卓越する層状雲からの降水も降水量としての寄与が大きいことが明らかになった。

 また、微地形と凍土水文過程の相互作用は、降水や熱収支に関与する土壌水分分布に大きな影響を与えている可能性や、高原上の地形による局地循環が、高原全体の大気・水循環や雲降水過程に大きな役割を果たしている可能性も指摘された。酸素・水素安定同位体による水物質の起源と輸送の観測は、高原上への水蒸気量の多くが、インド亜大陸上空で積乱雲系水滴から蒸発したものであることを強く示唆する結果を示した。

 

<シベリア寒冷圏>

 永久凍土帯であり、タイガと一部ツンドラに被われたレナ河流域での集中観測が、99年から、航空機なども用いた広域強化観測が2000年度夏に行われた。この広域強化観測の主な目的は、この地域の卓越する植生であるタイガ(カラマツとアカマツ)とアラスとよばれる森林内のパッチ状の沼沢の混在が、広域での熱・水フラックスにどう影響しているかを定量的に評価することにあった。まだ観測は終了したばかりであり、データの整理・解析は始まったばかりである。しかし、モニタリングで紹介した熱・水収支の季節進行に見られるように、植生・地表面の違いが、広域フラックスに大きく影響している可能性もある。ツンドラにおいては、冬期の積雪分布が夏期流出量や斜面別蒸発量を強く制御していることが明らかになった。さらに、凍土の夏季融解深分布は土壌水分が多いところほど深く、凍土ー土壌水分ー表面植生の密接な関係が示唆された。 これらの結果は、シベリア寒冷圏が、水循環系と通して、特異な植生ー永久凍土共生システムを作り上げている可能性が示唆された。

 

<広域エネルギー・水循環、衛星解析>

 ECMWF全球客観解析データによる15年間の大気水収支を、アジアモンスーンの各地域と、比較のため、他の熱帯・温帯・寒帯地域と比較したところ、熱帯モンスーン地域の降水は、基本的に海洋を中心とする周辺域からの水蒸気輸送(と収束)に依存しているのに対し、温帯・寒帯の大陸域では、蒸発散の寄与が非常に大きいという、際だった違いが明らかになった。また、TRMM-PRによる降水量の日変化成分の解析から、大陸と海洋、またヒマラヤの周辺での際だった日変化特性の変化などが明らかになった。SSM/Iから算出されたチベット高原上での積雪には、その年々変動に顕著な東西振動(高原東部と西部で偏差が逆転)があり、しかも、準2年振動の特性をもって、東アジア・南アジアのモンスーン降水量変動と密接に関係していることなども示された。

 

3-3.  モデリング

 

 モデリンググループの研究目的は、GAME特別観測等で得られた観測データ、および新しく得られたTRMM(熱帯降雨観測衛星)データなどを用いて、モンスーンアジアに於ける、メソスケールから大陸スケールでのエネルギー・水循環とその変動過程をモデルにより解明にある。具体的な項目は、以下の3項目である。

(1)GAME特別観測等で得られた観測データに対して、1次元モデルを用いて、各種の地表面モデルを動かし、その特性を比較する、

(2)非静力学領域気候モデルを用いて、メソ・地域スケールでの大気・陸面相互作用を解明する。また、分布型水文モデルによる陸面水循環のシミュレーションも行う。

(3)これらの結果を受けて、大規模スケールの気候モデルの陸面水文過程・雲降水過程を改良し、アジアモンスーンとそれに伴うエネルギー・水循環変動の予測精度を向上させる。  

以下に各項目に関連した研究成果をまとめる。

 

(1)1次元熱・水過程のモデリング:

  チベット高原での熱収支モニタリングのデータを用い、4つのモデル(JMA−SiB,CCSR,MATSIRO,TOHOKU)のテストを行い、@地中熱流量のモデル間の差は少ない、A土壌凍結はどのモデルでも良く表現されている、B気孔抵抗のパラメタライズの違いによりボーエン比が大きく異なる、Cアルベドの差により降雪量が大きく異なる、などの結果を得た。

 

(2)非静力学領域気候モデルによる研究:

 高分解能領域モデルに関する研究では,数値モデルの特性や問題点,プログラミングや運用の関する情報を共有し,相互援助ができること,研究結果の解釈・評価・議論が用意になるこなどの利点があることから,複数のGAME共通モデルを指定し,これらのモデルを重点的に利用してきた.共通モデルとしては米国コロラド州立大学が開発したRAMS,気象庁が開発したRSM (またはJSM)などを採用した.共通モデルをGAME4観測地域に適用し,降水や水蒸気輸送の日変化,季節変化,長期変動などに焦点をあてた研究を実施し、以下に紹介するような新たな知見が得られた。

 

<インドシナ半島における降水じょう乱>

 インドシナ半島では、観測データから降水頻度に明確な日変化があり,しかも平地で夜間に降水頻度が高いことが知られていたが、そのメカニズムについては,よくわかっていなかった.格子間隔が小さく,一つ一つの積雲対流を直接的にシミュレーションすることができる雲分解能モデルにより,このモンスーン季における降水の日変化特性に着目した数値シミュレーションを実施した.この結果,山岳地域において日中に発生する降水システムが,降水に伴う冷気外出流が斜面を下降する効果などにより,ゆっくり東に移動することが示された.このメカニズムは現実のタイの平地における降水の日変化特性を説明でき,タイのモンスーン期における水循環過程のの全容を解明する上で,大きな手がかりを与える.

 

<チベット高原上に生じる雲の日変化>

 衛星データにより観測すると,モンスーン期の早朝のチベット高原上やヒマラヤ山脈の南面では低い雲が生じていることがわかる.前記した雲分解能モデルと同様な数値モデルをインド・ヒマラヤ・チベット高原などをカバーする広大な地域に適用すると,前者は湿った大気の強制上昇,後者はチベット高原の夜間冷却が深く関係していることが示された.どちらもチベット高原の顕熱・潜熱フラックスが密接に関与していることが示唆された.これら2つのシミュレーションは,コンピュータの能力に限りがあるため,現象を2次元に簡単化して数値実験を行っている.今後は極めて高速なコンピューターを利用した3次元シミュレーションの実施が望まれる.

 

<タイ降水量の長期変動と森林面積の減少>

 タイのモンスーン季の月別降水量の数十年間の長期傾向を調べると,9月は明確な減少傾向を示すが,他の月はその傾向はない.領域気候モデルにタイの森林面積の長期変動を入力して,降水のシミュレーションを実施すると,観測データ同様、9月は森林面積の減少とともに降水量の減少が見られるが、他の月では見られない。この月による違いは,主として大規模な風系の違いにあることが明確になった.即ち、特定の月の降水量の減少傾向は、森林面積の減少が原因であることが.強く示唆された。

 

<梅雨前線のシミュレーション>

 東アジアのモンスーンと水循環を考える上で「梅雨」は極めて重要な現象であるが、これまでの大気大循環モデル(GCM)では梅雨前線を再現することは難しかった.領域気候モデルを東アジア全域に適用し,境界条件として客観解析データを東西方向に全球で平均したものを与えると,現実に良く似た基本的特徴を持つ「梅雨前線」が再現することができた.さらにくわしいモデル研究により,梅雨前線の形成メカニズムには東アジアと太平洋の海陸のコントラストが重要であること,チベット高原の存在は梅雨前線を強化していること,全球的な偏西風の強さやジェット気流の位置により,梅雨前線の位置と活動が大きく影響されることなどが明らかとなった.またアジア大陸の土壌水分量により,梅雨前線の位置と降水量が影響を受けることも示された.

 

<レナ河の河川流量変動のシミュレーション>

 エネルギー授受と陸面の応答を評価する一次元モデルとし て、いわゆるBig-leafモデルと、既存の分布型陸域水循環モデル(HYCYMODEL)を結合させ、河川網での 流出遅延過程を組み込んだ総合水文過程モデルを開発し、レナ河全流域(240万平方キロ) に適用し、大気変動に伴う流域全体の水循環をシミュレートした。その結果、レナ河の蒸発散形成 メカニズムを決める気孔コンダクタンスというパラメータは、草地型より 森林型に近い位置にあることが判明した。また、本モデルは活動層変化や融雪変化も 良く再現できることも明らかとなったが、凍結河川の春先の融解過程はまだ再現されていない。この部分のモデルの改良と大気モデルとの結合が今後の課題であるが、この作業は既に開始している。

 

 

(3)大気大循環モデル(GCM)によるアジアモンスーン変動の研究:

  大規模スケールでは、GAMEの特別観測から、新しい地表面モデルの提案があるまでには時間がかかることから、現在のモデルを用いてアジアモンスーンの変動のメカニズムを研究した。特に、1997/98年は、中国に於ける豪雨など異常なモンスーンであったので、その原因を検討した。また、シベリア地域の永久凍土における熱・水のフローを現実に近い過程にするかしないかで、冬季の大陸での気温やアジアモンスーンの強さも大きく変わり得ることが感度テストにより明らかになった。

 

 

3-4.  データ情報アーカイブ(GAME Archive and Information Network; GAIN)

 

 現在、全てのサブプロジェクトのデータセンター(GAIN-DAAC)が立ち上がり、GAIN-Hubを中心としたスター型の分散型データセンターのプロトタイプができあがっている。このうち、HUBEXに関しては、20016月の一般公開前にはアクセス制限があり、シベリアに関しては現在まさに集中観測の最中ということもあってまだ実際の中身はあまり整備されていない。Tibetに関しては、データカタログ、実際のデータの公開に至るまで、ほぼ完成しており、データが一般に向けて公開されている。熱帯域に関しては、Webページは完成し、データも準備されているが、現在も現地観測データ、現業データ等がインテンシブに収集されているため、これらのデータのマージ・更新システムの整備が遅れている。1998年頃までの現業収集データなどは一括して公開され、GAIN-Hubとしての役割を担っている。

 GAINでは、既存のデータのアーカイブ・公開だけではなく、東南アジアを中心とした領域の現業機関による最新の気象・水文観測データを収集している。これまでの多大な労力により、1998年のGAME IOP期間中のそうした気象・水文観測データも充実し、従来にないデータカバレージを達成することができつつある。また、他方で、こうした活動に伴い、当該アジア各国の現業気象水文機関のアジアモンスーン変動に関する研究活動に対する理解が深まり、国際共同研究への関心が高まるという効果も上がっている。


4 今後の推進方策(次年度以降の計画変更等)

 

 今年度後半から2001年度(最終年度)における今後の推進方策に、特に変更はない。

シベリア地域での集中強化観測も、一応今年度前半で終了したため、今後の現地観測として、放射、熱収支モニタリングが継続されるほかは、各地域の集中観測、プロセス研究で取得されたデータの整理と解析、およびモデリングの強化、データ情報システムの充実などが中心となる。

 モデリングについては、大気大循環モデルによる研究は、東大気候システム研究センター、気象研究所が引き続き中心となって進めるが、領域気候モデル、陸面水文・大気過程結合モデルについては、筑波大学などの大学グループが、国立環境研究所や地球フロンティア研究システム等と連携・協力して進める予定である。

 98年度に行われたモンスーンアジア全域での高層ゾンデ観測の強化観測により得られたデータは、現在、気象庁/気象研究所が、宇宙開発事業団、筑波大学などの協力で4DDA(4次元同化)客観解析が約60kmの高解像度で行われており、9月末には第1次データがリリースされる予定である。得られた結果は、β版のピアレビューを経た後、GAIN-DAACのひとつである東京大学生産技術研究所にアーカイブされ、公開される予定となっている。

 今年度中に、モニタリング、プロセス研究の熱帯、亜熱帯・温帯、シベリアの各グループは、国際ワークショップを国内または国外で開催し、これまでの研究成果について、討論を行う予定である。チベットのグループは、7月に中国にて、中国側の研究グループと共催のワークショップを開催した。このような研究項目、研究グループごとの国際・国内ワークショップは、年1、2回の頻度でこれまでも行われており、来年度も同様に行う予定である。さらに、2001年10月には、本研究の国内外でのすべての成果を集め、相互に検討し、議論するために、第5回GAME国際会議を名古屋で開催する予定である。

 

 


5 推進するための問題点と対応策(領域内の評価体制と評価状況)

 

5-1.  領域全体

 

 本研究は、国際共同研究プロジェクトGAME推進の国内中核母体の組織的研究であり、モニタリングやプロセス研究の研究対象領域が湿潤熱帯アジアからシベリア寒冷圏までと広範囲であり、研究手法も、フィールド観測、データ解析、コンピュータもによるモデリング等と、様々なため、どうしても研究者グループごとの独自の研究の遂行が中心となりがちである。そのため、領域全体としての目標へ向けた相互の連携・協力のためのリーダーシップを強力に取るグループの存在が重要である。総括班がその役割を果しているが、大学研究者だけではなく、関係する国研、現業官庁(気象庁)関係者も参加した国内実行委員会で、全体の研究の統括と調整を行っている。領域内での相互の研究評価は、年1回開催されるGAME国内集会にて、実質的に行われ、実行委員会にフィードバックして、研究体制の見直し等、必要な対策を検討、実施している。また、アジア各国の関係研究者、オブザーバーとして欧米の研究者を含めた国際科学推進委員会(GISP)では、年1回の会合でGAMEの国際的推進における問題点を検討してきた。今年6月の会合では、これまでの研究の成果についての評価をGISPとして行い、今後の研究の方向の見直し等への提言が行われる予定である。

 ひとつの具体策として、各地域・流域でのエネルギー・水循環特性を明らかにするためには,他の領域との比較研究が肝要である.そこで,プロセス研究4地域・流域全体でエネルギー・水収支の各項目を統一的に見積もり,

       1) 水・エネルギー収支の季節・地域変動性の相互比較

       2) 水・エネルギー収支の地域間関連性

       3) 水・エネルギー収支と各項目の検証と誤差評価

       4) アジア全領域での水・エネルギー収支解析の手法の検討

を目的とする横断的なワーキンググループ(GWEB)を立ち上げて,解析に取り組み始めた.

 

5-2.  モニタリング

 

 高精度の放射や熱収支の長期モニタリングは、世界的にもまだ未開拓な分野であり、特にアジアの厳しい気候・環境条件での長期観測には、多くの技術的な問題がある。96年に開始された文部省特別事業費で、このための特別な測器(PAM-IIIなど)を米国大気科学研究センター(NCAR)などの協力を得て開発し、アジア各地で展開を行い、この特定領域研究では、このモニタリング研究をそのまま引き継いでいるが、98年頃までは、技術的な問題点の解決に追われ、現在、ようやく各サイトでの比較的安定な継続観測が行われるようになった。今後の課題は、観測時のトラブルを速やかに確認し、解決するために、準リアルタイムでの観測データおよび観測状態のモニター体制と、現地の協力機関の研究・技術協力者の養成、確保であろう。これらを少ない予算でどの程度実行可能か、今後さらに検討が必要である。

  地表面熱収支データを相互に比較し、大気・陸面間のエネルギーフローの定式化をめざす上で解決すべきひとつの問題が浮上している。これは、地表面での放射エネルギー残差、地表から大気への潜熱・顕熱フラックス、地中への熱流量の3要素の間で成立すべきエネルギーバランスが、観測データからは成立しないという「熱収支のImbalance問題」である。この問題を解決するためには、各々の要素を測定する計測手法の再検討を行う必要がある。次年度以降、特に水蒸気の乱流輸送計測法、地中熱流量の計測法について、国内での相互観測比較なども含め、計測手法の再検討を行う必要がある。

 

5-3.  プロセス研究

 

<熱帯(タイ)>

 観測研究全体における実行上の実質的な問題は、遠隔地での観測の立ち上げ、実施、測器の維持に必要な人的資源の不足が最も大きい。特に、技術的なスタッフの不足が致命的である.各グループ・サイトは、日本側24人の研究者で実質的な観測体制の維持管理、データ処理、研究成果の公表までを行っているが、現状では観測体制の維持の負担が重過ぎた。これまでは、カウンターパートの科学的な動機付けは低かったため、実質的な研究協力関係を作り上げるには時間がかかった。しかしながら、この1、2年のあいだに、タイ国内のGAME委員会が非常に活発になりつつあり、今後より一層の研究技術の移転と研究意識を高めるような本質的な協力とを行うことによって、この問題を出来得る限り乗り越えていきたいと考える。

 

<亜熱帯・温帯(中国淮河流域)>

 特別観測のデータを含む本研究に関連するデータを、研究者間で利用することができるようにデータセンターを整備する予定であるが、そのためのハードウエアおよびソフトウエアの整備に時間がかかり、予定よりそれが遅れている。整備するべきデータが膨大であるためにその整理にも時間がかかっている。本データセンターは研究の推進上非常に重要であるので、今後関係研究者の協力を仰いで早急にその整備を強力に進めていく予定である。 また、地域スケールとメソスケールのデータの4次元同化を行うために、それに用いる数値モデルを整備しているが、プログラム上の不備等の処理に時間がかかり今のところ4次元同化データの作成にまで至っていない。またこれを実施するハードウエアとの整合性にも問題が発見されている。今後、計算機の専門家の協力を得てこれらを早急に改善し、地域スケールとメソスケールの4次元同化データを作成を急ぐ予定である。

 1999年の特別観測におけるデータの一部はまだ中国側にある。日本側と中国側のデータ交換は事前の契約に基づいて行われているが、データ処理に時間がかかり、まだ交換されていないデータが一部ある。今後、双方の協力をさらに強化しこれらのデータの交換をできるだけ円滑にかつ早急に進める予定である。

 

 

<チベット高原>

 観測上非常に困難な地域であるが、中国側の共同研究機関の積極的な働きもあり、98年度の集中観測データの解析やその後の継続モニタリングも、ほぼ順調に行われている。ただ、取得されたデータが膨大であり、データ整理・解析の作業が遅れ気味であることも否めない。GAME-Tibet計画として最初に設定した目的に照らして,個々の研究を相互に関連付けることによって達成できる項目を洗い出す.その上で,比較的短期間に行なえるものは取りまとめ,長期的な検討を要するものは解析研究の第二ステージの目標として議論の俎上にあげ,次期計画の基礎としたい。この地域の観測データは貴重であり、世界各国の研究者から非常に関心を集めているだけに、これらの作業をできるだけ速やかに進めたいが、国内の人的資源は決して十分とは言えない。

 

<シベリア寒冷圏>

 日露科学技術協定の枠組みで研究を推進しているが、それでも日露研究者双方の渡

航ビザの遅滞や、入境許可手続きの不透明性、観測機器輸送の関税システムの度重なる変更など、ロシア側の非常に不安定な状 況の中で研究が継続されている。しかしながら、GAME/Siberiaに関わってきたロシア(モスクワとサハ)側研究機関、研究 者とはきわめて良好な関係を築き、かつ維持してきている。

 ただ、研究遂行のための予算不足は深刻で、今年度の集中観測計画には飛翔体を用いて行う領域水・エネルギー循環の観測があったが、予算の制限により実施する見通しが立たず、地球観測フロンティアシステムの事業としてその部分を実施した。

 今後、地球温暖化問題に関連し、植生によるCO2吸収量の変動過程の理解のために、特に東シベリアの寒冷圏の理解が欠かせないという認識は欧米の研究者でも共通であり、この意味でGAME/Siberiaの成果に期待が寄せられている。1999 カナダで開催したGAMEMAGS(マッケンジー流域GEWEX研究)との共同研究会も 、このような中で開催となった経緯がある。また、この地域の植生の二酸化炭素吸収観測計画が オランダから出され、2001年から実施となる状況である。

 これらの情勢を踏まえ、日本はGAME遺産を継続しつつ、新たな課題を含めて、 寒冷シベリアから乾燥モンゴル、中国を貫くトランセクトを設定した国際協同研究 を再構築することが必要と考える。

 

5-4. モデリング

 

  3-3 に記したように、これまでの研究により、GAME観測領域それぞれにおける、地

表面過程からモンスーン規模までの様々なスケールの特徴的な気象擾乱や水循環プロセスを数値モデルによって再現することができた。しかしながら、GAME-IOPに取得された観測データの利用は、主として数値モデルの検証データとして使われ、しかも多くの場合は定性的な比較に利用が限られている。今後は観測データをさらに高度に利用するモデル研究が推進される必要がある。詳細な観測データ利用したモデルの定量的な評価、地表面過程のパラメータの最適化、あるいは新たなサブモデルの構築などを行う必要がある。なかでも陸面スキームの改良の推進、改良スキームの高分解能領域モデルへの組み込みにはより一層力を入れる必要がある。

 共通モデルにより、雲スケールからアジアモンスーン循環スケールまでの大気水文現象を統一的にしかも高い精度でシミュレーションするためには、共通モデルの基礎方程式やパラメタリゼーションに、いくつかの問題があることが次第に明確になってきている。まず共通モデルを、気候モデルとして数千km四方の広い領域に適用しようとすると、モデルの外部条件として入力すべき客観解析データと、雲スケールにも適用できるように工夫された数値モデルの基礎方程式の間で微妙な不整合を起こし、誤差の原因になることが明らかになった。また積雲対流のパラメタリゼーションを含む広域モデルと雲の微物理過程のパラメタリゼーションを含む狭域モデルの結合においても、両者のパラメタリゼーションの不整合性が問題になることがある。さらに、領域モデルを気候モデルとして利用するためには、積雲対流、放射、地表面過程などの物理過程のパラメタリゼーションのさらなる改良が必要であり、またヒマラヤなどの急斜面に適用するためには、差分スキームの見直しも必要であることも明らかとなった。

 パラメタリゼーションの改良には上記したように、GAME-IOPで得られた地表面過程や降水プロセスに関する観測データの定量的な活用が不可欠である。また基礎方程式や差分スキームに係わる問題を抜本的に解決するには,現在採用している数値モデルに代わって、より一般性の高い基礎方程式に基づく「次世代領域モデル」を開発することが必要である。

 このようなプロジェクト研究においては、モデリング班は研究成果をまとめる役割と考えられるが、観測の研究成果がまとまるまでに時間がかかる。そのため、研究のフェーズがずれてくる。解析とモデリングの研究計画を少し遅らせ、長期にわたり支援することが望ましいと考えられる。

 

5-5.  データ情報ネットワーク

 

 4DDAデータセットは全体で100GB程度であり、一時的にアクセスが集中した場合の対処や、そもそも2次記憶と3次記憶にどのように配分することが望ましいのか、また、データのクラスタ化や検索手法の検討まで情報科学的な研究課題が山積している。東大生研では、静止気象衛星や極軌道気象衛星の地球観測衛星リモートセンシングデータを受信蓄積公開しており、それらの成果を生かして4DDAデータのアーカイブ、配布問題の解決にもあたっている。

 

 


6 研究成果公表の状況(主な論文一覧、公開発表等)

 

 研究成果は、様々な段階で公開、公表している。まず、各研究グループ内でのワークショップや研究集会で発表し、さらに、GAME全体の国内研究集会が年1回2ー3日にわたって開かれ、領域内全体での学術討論を行っている。さらに各研究グループ単位で、国際ワークショップが年1回程度、開かれている。(研究集会・ワークショップ開催一覧参照。)これ以外に、各関連国内学会(気象学会、水文水資源学会等)での発表、国際学会、会議での発表はすでに数多く行われている。気象学会では、GAME特別分科会、特別セッションも開催されている。)

 論文(査読付、投稿中も含む)は、特定領域B開始以降の99年度以降(一部、関連論文は98年度分)について、以下(6-1) にリストする通りである。フィールド観測関係、広域(衛星)データ解析関係、モデル関係を合わせて、約100編である。

 なお、現在、日本気象学会では、英文学術誌であるJournal of Meteorological Society of Japan (気象集誌)のGAME特別号の出版を、20012月予定で企画しており、現在、投稿された論文の査読、編集を行っている。

 開催された国際研究集会(国内は非常に多いため、省略)や、関連する報告書リスト、新聞等記事リストも以下(6-2, 6-3, 6-4)に報告する通りである。

 

 

6-1. 研究成果公表の状況(査読付き論文のみ。投稿中も含む。)

 

<フィールド観測研究>

Aoki, M., T. Chimura, K. Ishii, I. Kaihotsu, T. Kurauchi, K. Musiake, T. Nakaegawa, N. Ohte, P. Panya, S. Semmer, M. Sugita, K. Tanaka, O. Tsukamoto and T. Yasunari, 1998: Evaluation of surface fluxes over a paddy field in tropical environment: Some findings from preliminary observation of GAME.  J. Japan Soc. Hydrol. Water Resour., 11-1, 39-60.

Haginoya, S. and H. Naoe: Lomng-term observation and seasonal variation of surface meteorology in the Tibetan plateau.  J. Meteor. Soc. Japan, 79, (submitted).

Hirose, N., T. Koike and H. Ishidaira: Study on Spatially Averaged Evaporation under Soil Moisture Heterogeneity Affected by Permafrost Micro-topography.  (submitted to J. Meteor. Soc. Japan, 2000)

Hiyama, T., M. Sugita, H. Bergstrom and M. Molder, 1999: Wind speed measure-ments in upper and lower boundary layer to determine regional momentum fluxes.  Agricultural and Forest Meteorology, 98-99, 145-158.

Hiyama,T., T. Ohta, H. Tanaka, K. Suzuki and A. Sugimoto, 2000Diurnal Variation of Surface Energy Fluxes and its Impact on the Lower Atmospheric Boundary Layer over Eastern Siberia.  Agricultural and Forest Meteorology.  (submitted).

Kaihotsu, I., H. Ohno, S. Miyazaki and T. Yasunari, 2000: Different scale measurements of soil moisture on the ground.  Proceedings of IGARSS 2000 of IEEE, 1250-1252.

Kuraji, K., K. Dairaku, M. Suzuki, K. Punyatrong, W. Jirasuktaveekul and N. Tangtham : Characteristics of Rainfall over Mae Chaem watershed.      (submitted to J. Meteor. Soc. Japan )

Kuwagata, T., A. Numaguti and N. Endo: Diurnal variation of water vapor over the central Tibetan Plateau during summer.  (submitted to J. Meteor. Soc. Japan, 2000)

Ma Yaoming, O. Tsukamoto, I. Tamagawa, Wang Jiemin, H. Ishikawa, Hu Zeyong and Gao Hongchun, 2000: The study of turbulence structure and transfer characteristics over the grass land surface of Tibetan Plateau. Chinese Journal of Atmospheric Science, 24, no.5, 456-464.

Ma Yaoming, O. Tsukamoto, Jiemin Wang, H. Ishikawa and I. Tamagawa, 2000: Determination of the land surface aerodynamic and thermodynamic parameters in the northern Tibetan Plateau area.  (submitted to J. Meteor. Soc. Japan)

Miyazaki, S., T. Yasunari, and T. Adyasuren, 1999: Abrupt Seasonal Changes of Surface Climate Observed in Northern Mongolia by an Automatic Weather Station.  J. Meteor. Soc. Japan, 77, 583-593.

Nakaegawa, T., H. Kobayashi, T. Kato, H. Takiguchi, T. Oki, and K. Musiake: Monitoring of the Asian Monsson over Thailand during GAME-Tropics intensive observation periods in 1998 using GPS precipitatble water.  J. Meteor. Soc. Japan, submitted.

Ohta,T., T. Hiyama, H. Tanaka, T. Kuwada, T. Maximov, T. Ohata and Y. Fukushima, 2000Seasonal Variation in the Energy and Water Exchanges above and below a Larch Forest in Eastern Siberia.  Hydrological Processes, (submitted).

Shimizu, S., K. Ueno, H. Fujii, H. Yamada, R. Shirooka and L. Liu: Mesoscale Characteristics and Structures of Stratiform Precipitation on the Tibetan Plateau.  (submitted to J. Meteor. Soc. Japan, 2000)

Sugita, M., N. Endo and T. Hiyama, 1999: Regional surface momentum flux derived from atmoshperic boundary layer bulk similarity approach.  J. Geophys. Res., 104, D14(July), 16965-16972.

Sugita, M., J. Usui, I. Tamagawa and I. Kaihotsu, 2001: The complemen-tary relationship with a convective boundary layer model to estimate regional.  Water Resour. Res., (in press).

Takagi, T., F. Kimura and S. Kono, 2000: Diurnal Variation of GPS Precipitable Water at Lhasa in Premonsoon and Monsoon Periods.  J. Meteor. Soc. Japan, 78, 175-180.

Tanaka, K., H. Ishikawa, T. Hayashi and I. Tamagawa: Surface energy budget at Amdo on Tibetan plateau using GAME/Tibet IOP98 data.  J. Meteor. Soc. Japan, 79, (submitted).

Toda, M., N. Ohte, and K. Mushiake, 2001: The annual estimation of evapotranspiration and canopy surface conductance of terrestrial complexn land covers in the tropical monsoon region.  (submitted to J. Meteor. Soc. Japan)

Toda, M., N. Ohte and K. Musiake : The annual estimation of evapotranspiration and canopy surface conductance of terrestrial complex land covers in the tropical monsoon region.  (submitted to J. Meteor. Soc. Japan)

Tsuyuzaki, S., T. Ishizaki and T. Sato, 1999: Vegetation structure in gullies developed by the melting of ice wedges along Kolyma River, northern Siberia.  Ecological Research, 14(4), 385-391.

Ueno, K., et al.: GEN-AWS observation during 1994-1999 in Khumbu region, Nepal Himayayas.  (submitted to Bull. Glacier Research, 2000)

Uyeda, H., H. Yamada, J. Horikomi, R. Shirooka, S. Shimizu, L. Liu, K. Ueno, H. Fujii and T. Koike: Characteristics of convective clouds observed by a Doppler radar at Naqu on Tibetan Plateau during the GAME-Tibet IOP. (submitted to J. Meteor. Soc. Japan, 2000)

Xu, J. and S. Haginoya2001: An estimation of heat and water balances in the Tibetan Plateau.  (submitted to J. Meteor. Soc. Japan, 2000)

Yamanaka, T., I. Kaihotsu, J. Shimada and V. Nandakumar, 2000: Soil moisture variability and negative feedback between soil moisture and rainfall in a tropical island.  (submitted to J. Meteor. Soc. Japan)

生駒栄司, 新井崇之, 元植, 大幹, 喜連川 , 2000: 陸面植生モデルワークベンチの開発と熱帯水田観測データの適用.  水文・水資源学会誌,13, 291-303.

石平 博, 小池俊雄, 広瀬 望, Shen Yongping, Wang Shaoling, Ye Bosheng1999:永久凍土の融解過程に及ぼす地形効果の観測的研究.  水工学論文集, 43, 97-102.

・松田咲子, 西田顕朗, 大手信人, 小杉緑子, . 青木正敏, 永吉信二, Samakkee BOONYAWAT, 戸田 , 2000:熱帯モンスーン地域における広域潜熱フラックス推定に向けたNDVI−輝度温度関係の特性解析.  水文・水資源学会誌,44-56.

・斎藤篤思, 山崎剛, 1999: 積雪のある森林域における分光反射特性と植生・積雪指標,水文・水資源学会誌、1228-38.

坂口寿子, 佐藤利幸, 1999: 隔離分布する寒地性シダ(イワカゲワラビ)をとりまく森林構造の解析−生活形に着目した植物相の類似性とその変動−.  環境科学年報, 21, 印刷中 

・田中広樹, 太田岳史, 檜山哲哉, T. C. Maximov, 2000:北方落葉樹林における光合成・蒸散特性の季節変化:樹冠単層モデルを用いた解析.日本林学会誌,(印刷中).

・戸田 , 大手信人, , 田中広樹, 虫明功臣, 青木正敏, サマッキー ボーンヤワット, 2000:熱帯モンスーンアジアの代表的な土地利用上における CO2 交換過程の日・季節変化.  水文・水資源学会誌, 13, 276-290

・渡辺晋生, 溝口 , 清澤秀樹, 児玉裕二, 1999: シベリアティクシ近郊のツンドラにおける活動層土壌の層位と物理的性質.  水文・水資源学会誌、13(1) 9-16.

・山中 , 開發一郎, 中谷亜紀, 飯田真一, 1999 : デジタル式ヒートパルスセンサーによる樹液流速測定.  地下水学会誌, 41, 307-318.

 

<広域データ、衛星データ解析>

Chang, A. and T. Koike, 2000: Progress in AMSR snow algorithm development.  Microwave Radiometry and Remote Sensing of Earths Surface and Atmosphere, VSP 2000, 515-523.

Dairaku, K., K. Kuraji, M. Suzuki, N. Tangtham, W. Jirasuktaveekul and K. Punyatrong, 2000: The Effect of Rainfall Duration and Intensity on Orographic Rainfall Enhancement in a Mountainous Area: A Case Study in the Mae Chaem Watershed, Thailand.  J. Japan Soc. Hydrol. Water Resour.13, 57-68.

Fujii, H. and T. Koike: Development of a TRMM/TMI Algorithm for Precipitation in the Tibetan Plateau by Considering Effects of Land Surface Emissivity.  (submitted to J. Meteor. Soc. Japan, 2000)

Fujinami, H. and T. Yasunari, 2000: The Seasonal Variation of the Diurnal Cloud Activity over the Tibetan Plateau.  (submittedto J. Meteor. Soc. Japan)

Fukutomi, Y. and T. Yasunari, 1999: 10-25 day Intraseasonal Variations of Convection and Circulation over East Asia and Western North Pacific during Early Summer.  J. Meteor. Soc. Japan, 77-3, 753-769.

Higurashi, A., T. Nakajima, B. N. Holben, A. Smirnov, R. Frouin and B. Chatenet, 2000: A Study of Global Aerosol Optical Climatology with Two Channel AVHRR Remote Sensing.  J. Climate, 13, 2011-2027.

Ikoma, E., T. Oki and M. Kitsuregawa, 1999: Development of an earth environmental database system which interacts with application software. Proc. of 1999 International Symposium on Database Applications in Non-Traditional Environments (DANTE99), Nov., 1999, 252-255,.

Matsumoto, J., 1997: Seasonal Transition of Summer Rainy Season over Indochina and Adjacent Monsoon Region.  Adv. Atmos. Sci., 14, 231-245.

Murakami, T., J. Matsumoto and A. Yatagai, 1999: Similarities as well as Differences between Summer Monsoons over Southeast Asia and the Western North Pacific.  J. Meteor. Soc. Japan, 77, 887-906.

Nakajima, T., A. Higurashi, N. Takeuchi, and J. R. Harman, 1999: Satellite and ground-based study of optical properties of 1997 Indonesian forest fire aerosols.  Geophys. Res. Lett., 26, 2421-2424.

Narukawa, M., K. Kawamura, N. Takeuchi, and T. Nakajima, 1999: Molecular composition of dicarboxylic acids in size-segregated aerosols collected during forest fire in Southeast Asia.  Res. Org. Geochem., 14, 11-18.

Narukawa, M., K. Kawamura, N. Takeuchi, and T. Nakajima, 1999: Distribution of dicarboxylic acids and carbon isotopic compositions in aerosols from 1997 Indonesian forest fires.  Geophys. Res. Lett., 26, 3101-3104.

Njoku E., T. Koike, T. Jackson and S. Paloscia, 2000: Retrieval of soil moisture from AMSR data.  Microwave Radiometry and Remote Sensing of Earths Surface and Atmosphere, VSP 2000, 525-533.

Okada, I., Y. N. Takayabu, H. Takemura, T. Takamura, K. Kawamoto, S. Kaneta, T. Inoue, T. Nakajima, and T. Kikuchi :The validation of insolation from GMS-5 by ground measurement at GAME observation sites.  J. Meteor. Soc. Japan,  (in press)

Ru, J., N. Takeuchi, T. Uezono, S. Kaneta, M. Minomura, H. Kuze, T. Takamura, A. Higurashi, and T. Nakajima, 2000: Optical properties of biomass burning smoke in South-east Asia studied by NOAA/AVHRR and ground-base monitoring.  Adv. Space Res., 25, 1029-1032.

Suzuki, R., S. Tanaka and T. Yasunari, 2000: Relationships between meridional profiles of satellite-derived vegetation index (NDVI) and climate over Siberia.  Intl. J. Climatol., 20, 955-967.

Tadono, T., T. Koike, J. Shi, Y. Ding, X. Chen, S. Wang and M. Yang, 2000: Development of an algorithm for soil moisture mapping based on single-parameter SAR images in permafrost regions including the effect of surface roughness.  Journal of Hydroscience and Hydraulic Engineering, 18-1, 29-38.

Takemura, T., H. Okamoto, Y. Maruyama, A. Numaguti, A. Higurashi, and T. Nakajima, 2000: Global three-dimensional simulation of aerosol optical thickness distribution of various origins.  J. Geophys. Res., 105, 17853-17873.

Ueda, H. and T. Yasunari, 1998: Role of Warming over the Tibetan Pleateau in Early Onset of the Summer Monsoon over the Bay of Bengal and the South China Sea.  J. Meteor. Soc. Japan, 76, 1-12.

Ueno, K., H. Fujii, H. Yamada and L. Liu: Weak and frequent monsoon precipitation in the Tibetan Plateau.  (submitted to J. Meteor. Soc. Japan, 2000)

Webster, P. J., V.O. Magana, T.N. Palmer, J. Shukla, R.A. Tomas, N. Yanai, and T. Yasunari, 1998: Monsoons: Processes, predictabililty, and the Prospects for prediction.  J. Geophys. Res., 103, C7, 14,451-14,510.

Yasunari, T., A. Yatagai, and K. Masuda, 1999: Seasonal and Interannual Variabilities of Atmospheric Water Balance in GEWEX Study Regions.  GEWEX NEWS, 9, 7-8.

Yasunari, T., A. Yatagai and K. Masuda, 2000: Time-space Characteristics of Atmospheric Water Balance on Monsoon Areas Based on ECMWF Reanalysis Data.  Proceedings of the Second WCRP International Conference on Reanalyses, '99.8.23-27, Reading, UK, 261-264.

藤井秀幸, 小池俊雄, 2000:衛星搭載マイクロ波放射計を用いた地表面放射を考慮した降水量推定法の検討.  水工学論文集, 44, 271-276.

・原田周平,   大幹, 虫明功臣, 1998: GMS-IRデータを用いたインドシナ半島域における対流活動の日周変化の解析.  水文・水資源学会誌, 11, 371--381

・広瀬 , 小池俊雄, 石平 , 2000:土壌水分の空間不均一性が領域平均蒸発量算定に及ぼす影響.  水工学論文集, 44, 169-174.

・徐 健青:気候湿潤度からみた東アジアにおける近年の気候変化.(水文・水資源学会誌投稿中,2000

小池俊雄, 吉本淳一, 藤春兼久, 柴田彰, 1999:グローバルな積雪量分布推定のための衛星アルゴリズムの開発と検証.  水工学論文集, 43, 211-215.

・小池俊雄, 下茂 , 太田 , 藤井秀幸, 柴田 , 2000:陸面水文分布のグローバル推定のためのマイクロ波放射計アルゴリズムの開発と検証.  水工学論文集, 44, 247-252.

・瀬戸心太, 仲江川敏之, 大幹, 虫明功臣, 1999: TRMM-PRを用いた土地被覆ごとの後方散乱係数特性.  水工学論文集, 43, 223-226.

・砂田憲吾, 直井崇宏, 中谷真一, 2000: 広域蒸発散量の推定における分布水文量の内挿と平均化について.  水工学論文集, 44, 277-282.

・田殿武雄, 小池俊雄, Jiancheng Shi, 1999:地表面粗度特性を考慮したSARによる土壌・積雪パラメータ推定のための数値シュミレーション.  水工学論文集, 43, 217-222.

・渡辺哲平, 大幹, 虫明功臣, 1999: タイにおける大気水収支と広域蒸発散量.  水文・水資源学会誌, 12, 221-230.

 

<モデリング、数値実験>

Emori, S., T. Nozawa, A. Abe-Ouchi, A. Numaguti, M. Kimoto and T. Nakajima, 1999: Coupled ocean-atmosphere model experiments of future climate change with an explicit representation of sulfate aerosol scattering.   J. Meteor. Soc. Japan, 77, 1299-1307.

Jha, R., S. Herath and K. Musiake, 1997: Development of IIS Distributed Hydrological Model and its Application in Chao Phraya River Basin, Thailand.   Annual Journal of Hydraulic Engineering, JSEC, 41, 227-232.

Jha, R., S. Herath and K. Musiake, 1998: Application of IIS Distributed Hydrological  Model  in  Nakon  Sawan  Catchment,  Thailand.    Annual Journal of Hydraulic Engineering, JSCE, 42, 145-150.

Jha, R., S. Herath and K. Musiake, 2000: River network solution for a distributed hydrological model and applications.  Hydrological Processes, 14, 575-592.

Kanae, S., T. Oki and K. Musiake, 2000: On the Impact of Deforestation on the Regional Precipitation over the Indochina Peninsula.  Journal of Hydrometeorology, accepted.

Kim, W., T. Arai, S. Kanae, T. Oki and K. Musiake:Application of the Simple Biosphere Model (SiB2) to Paddy Field in GAME-Tropics.  (submitted to  J. Meteor. Soc. Japan )

Kurosaki, Y. and F. Kimura, 2000: Relationship between topography and daytime cloud activity around Tibetan Plateau.  (submited to J. Meteor. Soc. Japan).

Ma, X., T. Hiyama, Y. Fukushima and T. Hashimoto, 1998A numerical model of the heat transfer for permafrost regions.  J. Japan. Soc. Hydrol. & Water Resour., 11, 346-359.

Ma, X., Y. Fukushima, T. Hashimoto, T. Hiyama and T. Nakashima, 1999Application of a simple SVAT model in a mountain catchment under temperate humid climate.  J. Japan. Soc. Hydrol. & Water Resour, 12, 285-294.

Ma, X., Y. Fukushima, T. Hiyama, T. Hashimoto and T. Ohata, 2000A macro-scale hydrological analysis of the Lena River basin. Hydrological Processes, 14, 639-651.

Nakaegawa, T., T. Oki, and K. Musiake, 2000: The effects of heterogeneity within an area on areally averaged evaporation.  Hydrological Processes, 14, 465-479.

Ogasawara, N., A. Kitoh, T. Yasunari and A. Noda, 1999: Tropospheric Biennial Oscillation of ENSO-Monsoon System in the MRI Coupled GCM.  J. Meteor. Soc. Japan, 77-6, 1247-1270.

Satomura, T., 2000: Diurnal Variation of Precipitation over the Indo-China Peninsula: Two dimensional numerical simulation.  J. Meteor. Soc. Japan, 78, 461-475.

Shen, X., M. Kimoto and A. Sumi, 1998: Role of Land Surfaxe Processes Associated with Interannual Variability of Broad-scale Asian Summer Monsoon as simulated by the CCSR/NIES AGCM.  J. Meteor. Soc. Japan, 76, 217-236.

Shen, X. and M. Kimoto, 1999: Influence of El-Nino on the 1997 Indian Summer Monsoon.  J. Meteor. Soc. Japan, 77, 1023-1037.

Takata, K. and M. Kimoto, 2000: A numerical study on the impacts of soil freezing on the continental-scale seasonal cycle.  J. Meteor. Soc. Japan, 78, 199-221.

Takayabu, I., K. Takata, T. Yamazaki, K. Ueno, H. Yabuki and S. Haginoya, 2000: Comparison of the snow accumulation and soil freezing processes among four land surface process models by using GMAE/Tibet POP'97 data. J. Meteor. Soc. Japan (GAME特集号、投稿中)

Tanaka, H., T. Ohta, T. Hiyama and T. Maximov, 2000Parameterization of Photosynthesis and Transpiration by a Boreal Deciduous Forest using a Single Layer Canopy Model.  Agricultural and Forest Meteorology. (submitted).

Yang, D., S. Herath and K. Musiake, 2000: Comparison of different distributed hydrological models for characterization of catchment spatial variability.  Hydrological Processes, 14, 403-416.

Yoshikane, T., F. Kimura and S. Emori, 2000: Numerical study on the Baiu Front genesis by heating contrast between land and ocean.  (submitted to J. Meteor. Soc. Japan ).

新井崇之, 元植, 大幹, 虫明功臣, 2000: 熱帯水田へのSiB2の適用と水田スキームの導入.  水工学論文集, 44, 175-180.

・広瀬 , 小池俊雄, 石平 , 田殿武雄, Shen Yongping, Wang Shaoling, Ye Bosheng1999:土壌水分分布算定のための凍土一次元モデルの開発.  水工学論文集, 43, 103-108.

・石平 , 小池俊雄, 陸旻皎, 広瀬 , 1998: 永久凍土帯の熱・水移動特性に関する2次元地中流モデルの開発.  水工学論文集, 42, 133-138.

・鼎 信次郎, 大幹, 虫明功臣, 2000:インドシナ半島を対象とした全球気候モデルによる地表面パラメータ変化が降水に与える影響に関する数値実験 --単純化した森林伐採が降水に与える影響--.  水工学論文集, 44, 37-42.

・熊倉俊郎, 仁志, 西村照幸, 小池俊雄, 1998: 衛星計測土壌水分量指標と大循環モデルの地表面過程の結合に関する基礎研究.  水工学論文集, 42, 73-78.

 

<その他、総説論文、総合報告等(査読なしも含む)>

Ackerman, S., P. Artaxo, O. Boucher, M. Y. Danilin, B. Kher, P. Minnis, T. Nakajima, and O. B. Toon, 1999: Aviation-produced aerosols and cloudiness.  Chapter 3 of IPCC Special Report,  'Aviation and the global atmosphere', Cambridge University Press, 65-120.

・安成哲三、1998: GAME強化観測期間(IOP)を迎えて ー季節変化する太陽入射エネルギーはアジアモンスーンをどのように駆動しているかー.   天気、45, 501-514.

・安成哲三、1999: 第59回気候問題懇談会報告 アジアモンスーンエネルギー・水循環研究観測計画(GAME) ーアジアモンスーン変動と水循環の予測へ向けてー.   測候時報、66, 19-23.

・安成哲三、1999: 変わりつつあるアジアモンスーン ーENSO結合システム.  科学、69-8,713-718.

 

 

6-2  国際研究集会

 

0  全体

The 4th International Study Conference on GEWEX in Asia and GAME

(jointly with the 3rd International Scientific Conference on the Global

Energy and Water Cycle)  Beijing, China,  16-19 June 1999.

 

1 モニタリング

GAME/NCAR Workshop on PAM III Performance and Maintenance for GAME-Long-Term Observations, 1999/7/26-27, 米国大気研究センター.

 

2 プロセス研究

<熱帯>

'99 Workshop on GAME-Tropics in Thailand, 8-9, March, 1999, at Kanchanaburi

2000 Workshop on GAME-Tropics in Thailand, 6-7, March, 2000, at Petchaburi

 

<亜熱帯・温帯(中国准河)>

Workshop on Meso-scale systems in Meiyu/Baiu front and hydrological cycle. November 3-9, 1999, Xi'an China. Abstract on Meso-scale systems in Meiyu/Baiu front and hydrological cycle, 201pp.

 

International Workshop on GAME/HUBEX Sapporo 2000.   September 12-14, 2000, Sapporo, Japan.  Extended abstract on GAME/HUBEX Sapporo 2000, 182pp.

 

<チベット高原>

The Second Session of International Workshop on TIPEX / GAME-Tibet Kumming, China, June 20-22, 2000.  (preprint volumeは当日配布.Proceedingsは現在製作中)

 

Mini Workhop on heat bakance studies in Tibetan Plateau 1999年6月17日、中国気象科学院)

Workshop on Surface fluxes in Tibetan Plateau(予定)、20001026-27, 北京

 

<シベリア寒冷圏>

GAME-MAGS International Workshop(日時:19991125日〜27日 於:エドモントン)(Research Report of IHAS, No.7, 2000, 168pp.

 

 

6-3.  関係の報告書(1999 -  )

 

No.11: Enhanced Rwainsonde Observation for GAME-Tropics IOP in 1998

       発行: 1999 3

       連絡先: 東京大学生産技術研究所(虫明功臣・仲江川敏之)

No.12: GAME Large-Scale Monitoring for Intensive Observation Period,

       April-September 1998 (GAME LSM IOP quicklook book)

       発行: 1999 3

       連絡先: 東京大学気候システム研究センタ−(沼口敦)

No.13: 1998年度GAME国内研究集会発表要旨集 (1998126日〜9)

    京都大学京大会館・会議室

       発行: 1999 4

       連絡先: 名古屋大学大気水圏科学研究所(檜山哲哉)

No.14: Activity Report of GAME-Siberia, 1998. edited by Japan sub-Committee

        for GAME-Siberia

       発行: 1999 4

       連絡先: 名古屋大学大気水圏科学研究所(檜山哲哉)

No.15: Proceedings of the 1st International Workshop on GAME-Tibet

       Edited by A.Numaguti, L.Liu and L.Tian, 152p.

No.16: JMSJ Special Issue Global Soil Wetness Project (GSWP)

       Edited by T.Koike, P.Dirmeyer, H.Dolman, A.Kitoh, T.Kumakura,  

     H.Matsuyama, T.Oki, N.Sato and A.Sumi, 219p.

No.17: Water and Energy Cycle in Permafrost Regions of Eastern Siberia

       Edited by A.G.Georgiadi and Y.Fukushima (Research Report of IHAS

    No.6), 265p.

No.18: Proceedings '99 Workshop on GAME-Tropics in Thailand

       Organized by National sub-Committee for GAME-Tropics in Thailand

       and Japan sub-Committee for GAME-Tropics

No.19: 1999年度GAME国内研究集会発表要旨集 (19991213日〜15)

     東京大学 先端科学技術研究センタ−・講堂

       発行: 2000 3

       連絡先: 名古屋大学大気水圏科学研究所(檜山哲哉)

No.20: Proceedings of the GAME-MAGS International Workshop

       Edited by MAGS Science Committee and Japan National Committee

       for GAME

     (Research Report of IHAS No.7), 168p.

No.21: Activity Report of GAME-Siberia, 1999. edited by Japan sub-Committee

       for  GAME-Siberia

       発行: 2000 6

       連絡先: 北海道大学低温科学研究所(大畑哲夫)

No.22: 湿潤アジアにおける水循環の大気陸面過程と水資源・水災害の変動の研究

   (武田喬男編)

       発行: 2000 7

       連絡先: 名古屋大学大気水圏科学研究所(坪木和久)

 

 

6-4.  新聞記事リスト

 

 日付   新聞名          “タイトル”内容

 

1998/8/25 毎日新聞      河川流量を予測するコンピューターモデルを完成”

                              研究概要、研究者紹介

1998/6/5  朝日新聞     “陸上の水循環を予測 地球規模モデル開発”

                              研究成果

2000/4/19 読売新聞    “衛星で土壌の水分推計”研究成果

  2000/4/19 日本経済新聞  “世界の土壌の湿り気を観測衛生レーダーでマップ

               作成” 研究成果

2000/4/21 日刊工業新聞  “全球の土壌水分量を検出”研究成果

2000/4/24 日本経済新聞 “衛星で土の湿り具合観測”研究概要、研究者紹介

1999/2/14   テレビ朝日系列、サンデーパワーTV

2000/6/02   ヤクーツク市の地元新聞「ヤクーチャ」 GAME-Siberia

                 日ロ共同観測研究の様子を紹介

2000/6/15  ヤクーツク市の地元テレビ   GAME-Siberia

                              日ロ共同観測研究の様子を紹介6-2  国際研究集会